清水浦安さんに訊く②なぜ病気になるの?


 

新谷 私たちは生まれてからこの肉体を脱ぐまでに病気をします。その病気の原因について教えてください。

 

清水 霊人になられた中村天風先生が僕に通信を送ってこられるので、いろんなことを教えてもらっていますが、基本的には、私たちは心が病んでいない状態で生まれてきます。病というのは体に現れる、肉体の不具合が症状として現れたものを病と言っています。ところが病気、病に気がプラスされると、これは心が病んでいる状態です。気は心と言ったり、気分とか、気持ちとか、心を表しているのが気で、心が病んでいる状態で体が病んでいる状態を病気というのです。この辺を分けておいてください。

では健康とは何かというと、「健」という字は、体が健やかな状態をいいます。そして「康」は心を表していますから心が元気なこと。体だけでなく心も丈夫で健やかで初めて健康です。

病になる原因というのは、先天性以外に、遺伝もあるといいますが、遺伝病などというものは先祖代々の中で1人でも健康なものが生まれていれば、それを遺伝とは言い切れません。けれど概ねは心が病の原因を作っています。どうしてそれが原因になるかというと、宇宙の法則、自然界の法則にあっていない状態だからです。天風先生は自然の法則にマッチしない心の状態を作ってしまったときに、体は不具合を現してくるといいます。

病気のメカニズムというのは、思考がネガティブなものを続けると、潜在意識にそれがどんどん溜まっていき、やがてそれが体に現れてくるのですが、その前にもうひとつのボディ(霊体、霊気体、アストラルボディ、オーラともいう)にまず現れます。それはエネルギー体の乱れとして現れます。そうすると霊体は心に通じていて神経系統に現れます。心の思ったことは自律神経に(末梢神経というのは約10万キロあります)がそこに乱れが出て、それから体に現れてくるのです。心の原因が体に現れてくるのですね。だから心が原因を作り、その結果が病という形で現れます。

天風先生は生前そのことがわかっていましたから、「病が体に現れても、心まで病ませるなよ」と言っていました。さらに「心はいつも積極的(せきぎょくてき)、積極的というのは尊い心、強い心、正しい心、清い心の4つあり、それを潜在意識に言って聞かせよ」と言っていました。顕在意識がそう思ってその心でずっとやっていると、必ず潜在意識に反映していくのです。それを続けていると潜在意識がどんどんきれいに洗われていくのだと。

そのときよく水道の例えをされていました。水道の蛇口から水を一滴一滴、ポタンポタンと落ちると、その下に墨汁の筆を洗って黒くなったコップの水を一晩置いておくと、朝になるとその水がきれいになっています。濁っていた水が透明になってコップの底が見えてきます。顕在意識はその水滴と同じなのです。

潜在意識の方が強いとよく言われているのは、顕在意識が1なら、潜在意識は9の力があるからです。潜在意識は圧倒的な力ですから、この潜在意識をコントロールしなければなりません。では、どうやってコントロールするのかといえば、顕在意識の思考の習慣を変えることです。今まで病気の原因を作っていた心だったら、それと真逆の心の持ち方をします。それはどんな状態かというと、天風先生は積極的な心の態度と言っていました。

そうするとどうしてよくなるかというと、宇宙の法則が働くからだというのです。宇宙は絶対積極なんです。宇宙はつねにつねに進化して新たなものを満たしていきます。宇宙の心は病むことはないのです。その宇宙の心と同じ心になる、また宇宙の意識の中に自分の心を同化する。そうすると運命も人生も変わります。健康状態も潜在意識が変わってくるからその意識はきれいに洗われて、宇宙を生かす生命エネルギーがどんどん湧き、インスピレーションもどんどん湧いてきます。すると本来の健全な状態、本来の良い状態、もともと宇宙は健全ですからそういう状態に戻してくれます。

昔から病は気からと言いますが、心が概ねその原因となっています。

 

新谷 積極的にはそんな深い意味があったのですね。その場合、治らない病気もありますか。

 

清水 じつはどこへ行っても治らない病気があるのです。そのときは魂から見てみましょう。魂というのはもう1人の本当の自分です。天風先生は師であるカリヤッパ先生にそのことを教えてもらったのですね。魂には計画書があることを。たとえば30歳で突然病気になるとします。病院に行き、いろいろな治療をしても良くなりません。それはその時に計画していることが病気を縁にして目覚める、そういうことがあるのです。

たとえば、みなさんがよくご存知の翻訳家の山川紘矢さんは大蔵省(現在財務省)の官僚だったのですが、神様のお手伝いをすると決意してからすごい喘息になり、死にそうになりました。あれはじつは魂の計画なんです。それがきっかけで大蔵省を辞めることになりますね。多くの人に真理を伝えていく、そして彼自身も目覚めていく、そのために病というのは魂の計画の中で必要だったのです。魂は健全なんですよ、肉体が病んでいるだけで。ところが病気になると、ともすると心も病んでしまいがちですが、奥様の亜紀子さんが神霊からのメッセージに順って薬物治療をすることもなく夫婦二人三脚で協力して良くなり、今はすこぶる元気です。そして計画通り多くの人に気づきを与えていらっしゃいます。

そういうように魂の計画書の中に病になるというプロセスもあるのです。病は気づきというのはそういうことで、なんでもすぐ治ればいいという話でもありません。

 

新谷 治療の中で気づいて治っていく場合もありますね。

 

清水 魂から見ると、魂は健全で病はないし死にもしません。では魂は何が欲しいかというと成長が欲しいのです。あの世に持って還れるだけの大きな成長、悟りという気づきが欲しいのです。私たちは両親、祖父母、ご先祖の血統を縁にして生まれてきます。肉体がないと魂が宿れないからですね。そのためにどうしてもアバターという着ぐるみが必要になります。人間というのは霊統と血統の複合体です。

人間は肉体、そしてエネルギー体ですが、本体は魂です。肉体はその入れ物です。どんなに健康な人も、魂(中村先生は命といいます)が抜けたら、すぐに死んでしまいます。病気で死ぬことはありません。ただ魂が抜けただけです。その魂の計画書に刻んできた病は、魂の計画に沿って目覚めないと治りません。魂というとわかりにくいのですが、私たちは心があります。では魂に心があるのかないのかという話がよく議論されます。心は痛いと感じますが、魂は感じないと思っているかもしれませんが、魂にも心があります。それを霊性心というと中村先生は生前言っています。これが本当の心で、魂は痛いとか苦しいとか言いません。

その状況を魂の心で見ています。それは魂で決めてきたことだから霊性が満足するのです。霊性が上がる、魂が成長するということです。そのために生まれる前から魂が計画してきている病が人生のプロセスにはあるのです。

 

新谷 魂の計画書に気づかないで死んじゃう場合もあるのですね。

 

清水 魂の計画に気づかないでやり残しちゃう人も多いようです。ただ、これからはそういうことがわかってきている時代ですから、自分は何のために生まれてきたのかと真剣に捉えた人なんかは目覚めが早いですね。

 

新谷 では病気になったときは、まず魂が何かを教えてくれているのだと思った方がいいですね。

 

清水 魂からの示唆だと思い、何に気づけと言っているのか、自分の魂、命に向けて真剣に問うたら、もう1人の本当の自分は教えてくれます。そのきっかけは偶然目にした広告かもしれないし、行きずりの人の一言かもしれませんが、気づかせてくれるメッセージに出会うでしょう。

でも、死んでも終わりじゃありませんよ。死は敗北ではありません。肉体の死はあっても魂の死はないので敗北もありません。肉体というアバターは誰もがいずれ大地に還元して戻らなければなりません。ところが自我の心だけで、この肉体が自分だと思っていると、それを敗北と思ってしまうかもしれませんね。決めつけたら決めた通りになります。

でも魂を中心にした本当の自分から見たら、ハナからそんなものはありません。ですから気づきが重要です。そして、これからは多くの人が本当の自分に目覚めていくでしょう。覚醒の時代に入ったというのはそういうことです。そうすると宇宙につながります。宇宙とは何かといえば永遠の生命です。日本に今、こんなに自然災害が多いのは、その目覚めを急いでいるからです。

 

新谷 ありがとうございました。大切なのは病や死の真実を知り、病や死を恐れる心をなくすことですね。そして魂の声に耳を傾け、魂の計画書通りに生きたいものです。

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代表 新谷直恵

出版社勤務を経て、編集会社リエゾンを設立。
2010年からフリーの編集者として仕事をしてきましたが、
2017年12月に[リエゾン、]として活動を再開。
本作りは主に聞き書きを中心にしながら、出版企画にも携わります。
また本作りを中心にしながら、著者のお話し会やセミナーを開催していきます。